クラウドサービスの利用が当たり前となった今、企業にとって「クラウドの安全性をどう確保するか」は避けて通れない課題です。そんな中、海外で大きな動きがありました。イスラエル発のCheck Point Software Technologies Ltd.(チェック・ポイント)と、アメリカ発のWiz(ウィズ)が、AIを活用したクラウドセキュリティの新しい統合ソリューションを世界規模で展開すると発表しました。
どんな企業なのか?
Check Point(チェック・ポイント)
1993年創業、イスラエルに本社を置くサイバーセキュリティ大手です。ファイアウォールやVPNなどネットワーク防御分野で世界的に評価され、日本にも拠点があります。企業向けのクラウド・モバイル・IoTセキュリティを幅広く提供しており、官公庁や大手企業の導入実績も豊富です。
Wiz(ウィズ)
2020年創業の新興企業で、わずか数年でユニコーン企業に成長しました。特徴は CNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform) と呼ばれる仕組みで、クラウド上のアプリケーションやコンテナ環境を一括で可視化・監視し、脆弱性や設定ミスを自動的に検出・修正できるのが強みです。米マイクロソフトやシェルなどの大手企業にも採用されています。
提携でどうなる?
今回の提携は、チェック・ポイントの「クラウドネットワークセキュリティ」と、ウィズの「CNAPP」を統合するものです。これにより企業は以下を実現できるとされています。
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リアルタイムの可視化:複雑化するクラウド環境を一元的に把握。
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AIによる脅威予防:不審な動きを検知し、攻撃が起きる前に阻止。
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誤検知の削減:AIがリスクを正確に評価し、担当者の負担を軽減。
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自動リスク対応:脆弱性や設定ミスをAIが自動修正。
つまり、人手だけでは管理が追いつかないクラウドセキュリティを AIが補完し、自律的に守る仕組み を提供するのが狙いです。
日本企業への影響は?
クラウド利用を急速に拡大していますが、その一方でクラウド設定ミスや不正アクセスによる情報漏えいは増加傾向にあります。
今回のような「AIによる予防型セキュリティ」は、セキュリティ人材不足が課題となっている日本にとっても大きなヒントとなるでしょう。
まとめ
クラウドは便利ですが、利用すればするほど複雑になり、セキュリティリスクも増大します。今回のチェック・ポイントとウィズの提携は、AIを活用して「攻撃を受ける前に防ぐ」未来のセキュリティ戦略を示すものであり、日本企業にとっても見逃せない動きです。


